こんにちは!
あすはやです。
平成26年度 第47回細胞検査士資格認定試験学科筆記試験の解説をしていきたいと思います。今回は総論 問11~問20の解説を行います。
学生で細胞検査士を目指す人、働きながら細胞検査士を目指す人、一緒に頑張っていきましょう!
Contents
総論(問11~問20)
総論 問11.誤っている組み合わせはどれですか.
A.ムコール症 ――――――――― 細菌感染 ――――― 肺炎
B.クリプトコッカス症 ――――― 真菌感染 ――――― 肉芽腫性病変
C.アメーバ赤痢 ―――――――― 原虫症 ―――――― 肝膿瘍
D.クロイツフェルト・ヤコブ病 ― プリオン ――――― 海綿状脳症
E.伝染性単核症 ―――――――― 原虫症 ―――――― 異型リンパ球
1:A B
2:A E
3:B C
4:C D
5:D E
解説
回答:2
・ムコール症・・・肺真菌症の一つ。コントロール不良の糖尿病患者(特にケトアシドーシス患者)および鉄キレート薬のデフェロキサミンが投与されている患者で最も感染の頻度が高い。最も高頻度に鼻および口蓋の侵襲性壊死性病変があり、その他に疼痛、発熱、眼窩蜂窩織炎、眼球突出、膿性鼻汁の症状がある。
・伝染性単核症 ・・・EBウィルス感染による疾患。血液中に異型リンパ球がみられる。
総論 問 12.誤っているものはどれですか.
A.空胞変性における細胞内空胞は通常PAS 反応陽性である.
B.肝細胞のアルコール硝子体はサイトケラチンと考えられている.
C.粘液変性は子宮平滑筋腫に見られる.
D.脂肪変性は肝細胞に見られる.
E.AL アミロイドーシスは免疫グロブリン軽鎖の細胞内蓄積により起こる.
1:A B
2:A E
3:B C
4:C D
5:D E
解説
回答:2
・空胞変性・・・空胞の中は小胞体やミトコンドリアなどを含む蛋白質に富む水分である。または、脂肪が貯留したもの。よって空胞変性は、グリコーゲンを含まないので、PAS反応陰性。
・ALアミロイドーシス・・・腫瘍化した形質細胞から作られるM蛋白(正常に機能しない抗体)の軽鎖が全身の臓器に沈着し(細胞内に蓄積ではない)様々な臓器障害が引き起こされる病気。
こちらのサイトを参考にしてみて下さい↓
https://www.kotsuzuishu.jp/series01/10q02.html
総論 問 13.誤っているものはどれですか.
A.上皮性悪性腫瘍は癌腫である.
B.非上皮性悪性腫瘍は肉腫である.
C.悪性腫瘍の特徴として遠隔転移があげられる.
D.良性腫瘍であれば再発はしない.
E.腫瘍で細胞異型が軽度であれば良性としてよい.
1:A B
2:A E
3:B C
4:C D
5:D E
解説
回答:5
・良性腫瘍・・・病理学的に悪性所見がない腫瘍のこと。完全に切除が出来れば再発は限りなく低くなりますが、絶対に再発はしないとは言えない。
・細胞異型が軽度・・・異型の所見があれば、良性とは診断できない。
総論 問14.誤っているものはどれですか.
A.壊死は生理的要因でおこる.
B.壊死により細胞の構造が崩壊し,炎症反応が引き起こされる.
C.アポトーシスは,核の凝縮から始まる.
D.アポトーシスは生理的要因,病的要因の両方でおこる.
E.老化細胞は壊死により脱落する.
1:A B
2:A E
3:B C
4:C D
5:D E
解説
回答:2
・壊死・・・病気や事故などで偶然生じた病態。細胞、組織の壊死。
・老化細胞・・・DNA損傷により、修復されなかった場合の細胞は不可逆的な細胞老化状態に入る。アポトーシスにより排除される。
総論 問15.腫瘍マーカーについて正しい組み合わせはどれですか.
1.AFP ――――――― 前立腺癌
2.CA 19 – 9 ―――― 卵巣癌
3.CA 125 ―――――- 膵癌
4.ProGRP ―――――- 肺小細胞癌
5.PSA ――――――― 肝細胞癌
解説
回答:4
・AFP・・・胎児期の卵黄嚢細胞。肝臓、消化管などに存在。肝細胞癌、胚細胞性腫瘍で陽性。
・CA 19 – 9・・・膵臓、胆のう、胆管で陽性。
・CA 125・・・卵巣癌、子宮体癌、肝細胞癌、胆道癌、膵癌で陽性。
・PSA ・・・前立腺癌で上昇。
総論 問16.退行性病変はどれですか.
1.Hyperplasia
2.Regeneration
3.Hypertrophy
4.Necrosis
5.Metaplasia
解説
回答:4
退行性病変・・・萎縮atrophy、変性degeneration、壊死necrosis
進行性病変・・・肥大・増殖nypertrophy、再生regeneration、化生metaplasia、移植implant
総論 問17.成人に多く発生する腫瘍はどれですか.
1.肝芽腫
2.骨肉腫
3.横紋筋肉腫
4.形質細胞腫
5.上衣腫
解説
回答:4
・肝芽腫・・・乳児、小児に発生。家族性大腸腺腫症でしばしば合併。
・骨肉腫・・・小児腫瘍の5%、二峰性分布で20歳未満と初老期にピーク。
・横紋筋肉腫・・・小児型は小児に多く、胞果型は年長の子供や青年に多い。多形型は成人。
・上衣腫・・・15歳未満の小児に好発の神経膠腫。第4脳室に好発。
総論 問18.転移性脳腫瘍の原発巣で最も多いものはどれですか.
1.肺
2.胃
3.大腸
4.腎臓
5.前立腺
解説
回答:1
・転移性脳腫瘍で多く見られる原発巣・・・肺が一番多い。肺>乳>胃
総論 問19.誤っている組み合わせはどれですか.
1.柵状配列 ―――――――― 神経鞘腫
2.索状配列 ―――――――― 肝細胞癌
3.ロゼット配列 ―――――― 上衣腫
4.リボン状配列 ―――――― カルチノイド
5.ニシンの骨状配列 ―――― 骨肉腫
解説
回答:5
・骨肉腫・・・腫瘍細胞か骨や類骨を形成していることがポイント。
※ニシンの骨は線維腺腫の特徴である。
総論 問20.誤っているものはどれですか.
1.閉経が遅いほど乳癌発生率が高くなる.
2.エストロゲン製剤は乳癌発生の外因である.
3.欧米人に比べ胃癌の発生が日本人で高いのは遺伝的要素が大きい.
4.子宮頸癌の発生原因は外因によることが多い.
5.リンチ症候群患者には大腸癌,子宮内膜癌が高率に発生する.
解説
回答:3
・胃癌のリスクファクター・・・日本は世界的にみて胃癌が多い。要因として高い塩分、喫煙、ピロリ菌。
47回総論 問11~問20の解説は以上になります。
47回技術 問1~問10の解説はこちらになります。↓
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